本を高く積め

本をつい買ってしまう人の雑記です。

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』

約半世紀前、鳥取県西部の紅緑村〔べにみどりむら〕の旧家、赤朽葉〔あかくちば〕家に嫁入りし、やがて《千里眼奥様》と呼ばれた女がいた。女は当主との間に四人の子を産み、娘の一人は、少年少女らの暴走族を束ねるリーダーとしてバイクを駆り、十代にして…

カート・ヴォネガット・ジュニア『猫のゆりかご』伊藤典夫訳

世界には意味があり人生には目的がある、という考えはいったい今日どれほど支持されるだろう。少なくとも世界に「一つの真実」なんて無いということは、誰もが漠然と感じているように思う。例えば宗教ひとつ取ってもそう。聖書もコーランも、信じている人か…